おわりに
前作「80才になってもりんごを丸かじりする法則」から10年以上経ちました。前作「80才になってもりんごを〜」は治療を行う前提で書かれたものです。治療を行うにあたってどうすれば、長期的に経過良好になるのか、その考え方をお伝えしたくて執筆いたしました。あれから約10年、今では私もだいぶ考えが変わりました。そもそも「名医」とはどんな歯科医師のことをいうのでしょうか?
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入れ歯の作成が上手な先生のことでしょうか?
歯を抜くのが上手な先生でしょうか?
もしくは、銀歯を違和感なく入れるのが上手な先生でしょうか? 名医とはあなたも治療が上手な先生をイメージしていませんか?
若い頃は私も同じような考えでした。
しかし、今は違うとはっきり自信を持って断言できます。もちろん治療が上手なことは当たり前です。ただ、入れ歯ではなく自分の歯で食事をした方が幸せです。歯を抜く事態にならない方が幸せです。銀歯より天然の白い歯の方が幸せです。
歯科医師は本当の意味で歯の治療を行なっているのではありません。歯の「修理」もしくは、「延命処置」「後始末」を行なっているに過ぎません。それは歯の寿命を縮める行為に等しいのです。
つまり、歯科医が行う治療が、この世から無くなると、みなさんも幸せになれるのです。
そして、お口の健康が保てると、動脈硬化や認知症の予防にも直結するため、健康寿命の延長、国民の医療費の低下も達成できるでしょう。
最後になりますが、私にとっての名医とは「予防歯科を通じて、生涯歯を失うことなくご自身の歯で過ごせる方を1人でも多く導ける歯科医師」となりました。
MTMに則った診療を行い、予防歯科を正しく指導してもらえる医療機関をお探しの方は、ぜひ「コミュニケーションギア」(cーgear.net)を検索してください。
そして治療がメインではなく、予防の教育がメインの医療機関としてあり続けることが私の理想です。