MTMによる虫歯予防
今ある歯をすべて残して、健康で快適な生活を送っていただくためには、MTM(メディカル・トリートメント・モデル)が最も効果があります。虫歯のない子どもの時からはじめれば、28本の歯を1本も失なわないことも可能です。
手や足にたとえれば、入れ歯は義手や義足と同じです。歯の寿命は、本来は人間の寿命より長いものです。ぜひ、当院の実践するMTMに賛同いただき、ご自分の歯で一生を過ごしていただくことをおすすめします。
MTMの目的『4つの評価』
虫歯や歯周病を断ち切るために大切なことは、生活習慣を変えることとご説明してきました。そのために必要なことは現在の日常生活を含め、お口の中の情報収集を行うことです。
その情報を分析し、唾液検査を行い、①虫歯病を治す(虫歯になる確率を10%以下にする)、②磨き残し率を15%以下にする、③歯肉からの出血率を10%以下にする、④4mm以上の歯周ポケット率を10%以下にする、という虫歯や歯周病を防ぐための①②③④をクリアすることを目指します。
逆に①②③④が異常値を示し、それを放置し続けると、虫歯病や歯周病が発症→抜歯→入れ歯→インプラント(数十万〜数百万円)となるわけです。
そのためメディカル・トリートメント・モデル(MTM)では①②③④を検査し、分析を行います。そして、異常値が認められたら、正常値へと軌道修正していくレッスンを歯科衛生士が行っていきます。また、①②③④のデータは断片的に用いるのではなく、長期的にモニタリングを行い、常に正常値へと軌道修正していきます。
このようなコンセプトに基づいた診療システムがメディカル・トリートメント・モデル(MTM)です。
そのため当院では、唾液検査、日常(食生活)アンケート、X線写真撮影16枚、一眼レフカメラによるお口の中の写真撮影13枚、お口の中全体を確認するレントゲン撮影、染め出しによるお口の中の汚れのチェック、歯肉の検査、虫歯の検査、お口の中の細菌(顕微鏡)の検査等を行っています。年齢によって必要検査項目は変わります。
MTMのポイント
まずは『情報収集』から
虫歯や歯周病になったお口の中には、たくさんの細菌がいます。この状態で治療をしても、再発して再治療になります。再治療を繰り返した歯は、やがて抜くことになります。
歯が痛い、つめ物が取れたなどのお悩みを解消する応急処置はしますが、初日は、基本的には情報収集を行います。
MTMの診療ステップ
虫歯や歯周病の原因はお口の中の細菌です。
MTMでは、細菌がいないきれいなお口へとリセットし治療後、定期メンテナンスで保つことで、虫歯と歯周病を予防します。
ステップ1 まず検査、徹底的に検査
お口の中の状態を知るために、前述した問診と検査をします。その後のお口の中の状態の変化をチェックするため、検査は定期的に行います。
ステップ2 お口の清掃とセルフケアの指導
歯科衛生士が専用の器具で細菌のかたまりである「バイオフィルム」を除去し、歯石取りやクリーニングをします。歯科医院での清掃はとても効果がありますが、きれいな状態を保つには、セルフケアが重要です。毎日のセルフケアの方法についても歯科衛生士がご指導します。
ステップ3「再評価」から治療へ
この段階で、「再評価①」(お口の中の再検査)を行い、医院でのプロフェッショナルケアでお口の中がきれいになり、毎日のセルフケアできれいな状態が保てると判断できれば、本格的な虫歯治療をします。この判断基準として重要視している、前述した磨き残し率15%以下、歯肉からの出血率10%以下、4mm以上の歯周ポケット率10%以下を目標とします。この基準のクリアが虫歯や歯周病の抑制のカギを握っているからです。治療が終わったら、同じ基準で「再評価②」(お口の中の再検査)を行い、定期検診(メンテナンス)に移行します。
ステップ4 定期検診(メンテナンス)で長期に予防
検査でわかったお口のリスクに合わせて、一人ひとりに最適な間隔や内容で定期的に検診(メンテナンス)に通っていただきます。セルフケアでは除去がむずかしい「バイオフィルム」を除去し、歯石取りやクリーニングでお口の中をきれいに保つことによって、長期的に虫歯や歯周病を予防していきます。
MTMについて詳しく知りたい方は、当院の予防サイトもご覧ください。
MTM(メディカル・トリートメント・モデル)で必要な検査
成人検査項目